モザンビークでビーチクリーンとリサイクル施設の見学をしました。
毎年9月20日は、国連が定める「世界清掃デー」であり、全世界のビーチで清掃活動が行われます。モザンビークも去年に引き続き実施されました。しかし当日は悪天候の関係で、1週間延期して実施されました。
日本チームとしては、JICAモザンビーク事務所の方々、JICA海外協力隊の方々、在モザンビーク日本大使館の方々など、多くの人が参加しました。現場に到着すると既に多くの参加者が集まっており、私がJICA海外協力隊時代の同僚だったマプト市役所職員の方もいたので、挨拶をすることができました。
日本チームとしては、人ごとに回収する品目を決め、それぞれ定量化する回収に挑戦しました。回収現場は、週末になると地元の人たちがビールなどの飲み物を片手に過ごす人気なエリアということもあり、ビール瓶、ジュースのパック、お菓子の袋など、その場で投棄したであろうごみを多く見つけることができました。回収結果は下記表の通りとなります。
品目 | 袋数(袋) | 重量(kg) |
瓶・ガラス類 | 2 | 7.9 |
鉄・鉛 | 1 | 0.85 |
硬質プラ(PP) | 1 | 3 |
軟質プラ(PE) | 2 | 4.35 |
その他(燃えるごみ) | 3 | 6.3 |
私たちが到着したときはほとんど回収されていましたが、瓶のごみがとても多いと感じました。特に割れてしまった瓶のごみは、回収が困難なだけでなく、ビーチを利用するうえでとても危険な存在となっています。ビーチを利用する人たちへの啓発だけでなく、しかるべきところにちゃんと捨ててくれるような仕組みづくりの必要性も感じました。
(参加者が回収したごみを、主催団体メンバーが分別している様子。日本チームが分別したごみを渡したところ、とても感謝されました)
また、個別にアポを取って、マプト市内にあるリサイクル施設の見学をしました。都心部から車で約30分の場所にあり、契約した企業からのごみを受け入れています。なかには車で9時間ほどの場所にあるビランクーロと呼ばれるビーチで有名な観光地からのごみも受け入れていました。
扱う品目はおもに古紙類、プラスチック、食品残さです。古紙類は液状にしたのちに成形され、卵のパックとして再製品化されていました。食品残さは乾燥・粉末化されて飼料になります。プラスチックについては粉砕・融解してペレットにしたのち、ベンチやテーブルなどに生まれ変わりました。
このようなリサイクル施設がマプト市内にあるにもかかわらず、マプトのリサイクル率は1%未満と言われています。この背景としては、住民のリサイクルに関する教育不足のほかに、分別・回収・運搬をする仕組みづくりがまだまだ整っていないことがあげられると考えます。これからどんどん成長が見込まれるアフリカ地域がごみの影響を受けないためにも、教育・リサイクル体制づくりの必要性を強く感じました。
(回収されたペットボトル系のごみ)
(古紙をリサイクルして作られた卵パック)
(フレーク状の硬質系プラスチック)
(プラスチックをリサイクルして作られたベンチテーブル)