ごみ拾いの活動から見えるプラスチック問題
ハロウィーンの翌朝ごみを拾う仮装した人々…
そんな姿を報道するメディアも増えてきたように感じます。
ごみを出せば誰かが片づける。
皆さんは、その「誰か」になったことはありますか?
私たち白井グループは事業として、ごみを片づけることを仕事としています。
しかしそれは決められたごみ置場からの回収です。
ごみ箱やごみ置き場に適切に捨てられたごみ以外のごみを拾うのは、ボランティアの活動が多いと思います。
当社でも、毎日本社や鹿浜事業所周辺の清掃活動を行っています。
最近参加したごみ拾いの活動を通して感じたことを今回ブログに書こうと思います。
毎年研修で訪れている神奈川県葉山。
研修が終わった後に近くの久留和海水浴場でビーチクリーン活動を実施しています。
花火のゴミ、ペットボトル、海から流れ着いたごみなど色々なごみがたくさんありました。
波が打ち寄せる所に漂着物が溜まっています。
木の枝や海藻などが多いですが、目を凝らすとカラフルで小さいプラスチックがいくつか潜んでいます。
プラスチックは海を漂う中で、波や紫外線の影響を受け劣化し小さくなっていきます。
海洋生物の多くは私たち人間のように器用な手は持たず、視力も良くありません。
選択の余地なくプラスチックを体内に取り込んでしまうのです。
海岸で小さなプラスチックの破片の拾いながら、
自分の胃の中にプラスチックが溜まっていく様を想像して身震いがしました。
また、11月には葛西臨海公園の「東なぎさ」での清掃活動を行いました。
東なぎさは立入禁止エリアで、2018年にラムサール条約湿地に登録された非常に貴重な場所です。
今回、株式会社都市環境エンジニアリング様にお誘いいただき、この活動に参加させていただきました。
参加者は約90名。船で東なぎさへと渡ります。
5~6人でチームになり1時間ほどごみ拾いをし、ごみ袋4つがいっぱいになるほど拾うことができました。
飲食物の容器などプラスチックごみが圧倒的に多くありました。
普段は立入禁止となっている場所なので、ここにあるごみは漂着したごみです。
ぼろぼろになっていて拾いきれないものも多く、漂着ごみの回収の難しさを感じました。
ごみ拾いの後には干潟で生物観察の時間もあり、野鳥やハゼが多く見られました。
貴重な生物たちが暮らす場所のすぐ近くにこんなにたくさんのごみがあるという事実。
こちらでもまた、海洋プラスチック問題を身をもって実感することとなりました。
プラスチックが海に流出する経路はさまざまです。
台風や竜巻、土砂崩れなど自然災害も多く発生しているため、全てが意図的に捨てられたものだと一概には言えないでしょう。
しかし自然界には存在しない人工物であることは確かです。
生産する立場、消費する立場、運搬する立場、それぞれの立場で何ができるのか。
ごみを拾う立場になることで見える視点もあるかもしれません。